鎌倉は世界遺産になれない?落選の理由と登録における3つの問題点

鎌倉世界遺産登録落選その1

突然ですが、アナタは日本で登録されている世界遺産の数はご存知でしょうか?

日本では2018年現在、18件の文化遺産4件の自然遺産合計で22件の世界遺産が登録されています。

その中には、日本の代表格ともいえる富士山をはじめとして、古都京都に存在する金閣寺平等院など、日本で有名な神社仏閣も登録されています。

京都の金閣寺や平等院が登録されているということは、もちろん鎌倉の鶴岡八幡宮とか有名どころも登録されているんでしょ?

はい、私も当初はそう思っていたのですが、実際に調べてみると・・・、なんと鎌倉は世界遺産にいまだ登録されていない事実が・・!?

そこで今回、鎌倉時代からの古都として歴史が深い鎌倉が、なぜ世界遺産に登録されていないのかについて調べてみましたので紹介させていただきます!




鎌倉の世界遺産審査までの経緯

鎌倉世界遺産登録落選その2

そもそも、鎌倉市が世界遺産登録に向けて動き出したきっかけが、1992年にユネスコ世界遺産委員会の暫定リスト「古都鎌倉の寺院・神社ほか」として鎌倉の歴史的遺産が掲載されたのがはじまりです。

その後、「武家の古都・鎌倉」という考え方(コンセプト)を元に、近隣の横浜市、逗子市や神奈川県など4県市と連携して、鎌倉の世界遺産登録に向けて動きはじめました。

そして、2012年1月には、「武家の古都・鎌倉」の推薦書(正式版)が、国からユネスコ世界遺産センターへ提出され、9月24日から27日まで、ユネスコの諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)による現地調査が行われました。

しかし、2013年4月30日にイコモスから受けた結果は・・・・なんと不記載!

この結果には、鎌倉市をはじめとして関係者や、そこに暮らす鎌倉市民もかなり落胆したのではないでしょうか?

衝撃の結果を受けて、鎌倉市は国に対して世界遺産登録への推薦を一度取り下げる事を要請しました。

理由としては、次回の再登録の審査に向けて確実に通すために、神奈川県、横浜市、逗子市と共に、鎌倉独自の価値を見出すことを目標に、最低5年かけてじっくりと準備を整えていくためとのことです。

しかし、なぜ同じ古都である京都は世界遺産審査に通過しているのに、鎌倉は落選してしまったのかしら・・?

そこには、鎌倉独特の土地柄による意外な理由が存在しました・・・!

鎌倉が世界遺産登録に落選した3つの問題点

鎌倉世界遺産登録落選その3

関東大震災による鎌倉時代の歴史的建造物の消滅

じつは鎌倉地域では、1923年(大正12年)に発生した関東大震災により、鎌倉時代から続く歴史的建造物がほとんど倒壊してしまい残っていない状況です。

私たちが鎌倉で目にする神社仏閣たちは、ほとんどが関東大震災後の昭和時代に再建されたものが多く、世界遺産を登録する際に考慮される建物の歴史的・文化的価値という点からみると、価値が低いと判断されてしまっています。

実際に関東大震災を免れて鎌倉時代から残っている歴史的建造物は、「鎌倉大仏」、「瑞泉寺の庭園」、「切通し」などかなり少なく、神社仏閣関連の建物はほとんどが倒壊してしまったのが現実です。

また、「武家の古都」を前面に押し出しているものの、肝心の武家の館(やかた)が残っていないことも登録見送りの原因になったと言われています。

鎌倉の慢性的な交通渋滞

鎌倉は古い街のため道路の道幅がとても狭く、山に囲まれた地形のため迂回路などの抜け道もほとんど存在しなく、慢性的な渋滞が長年問題になっています。

世界遺産として登録をめざすならば、大型バスが頻繁に鎌倉市内に入ってくることが想定されますが、そのような観光バスの受け入れ場所も限られており、さらには狭い道のバリアフリー化も進んでいない状況では、街の整備不足と判断されて登録が見送られたのもうなずけます。

乱開発による自然・景観への悪影響が著しい

ブランド価値が高い鎌倉では、宅地やマンションの開発が横行しており、緑の景観をます斜面の山林や、市街地の山林を壊して小さな戸建てやマンションを開発するなど景観や自然が破壊されてきたケースが少なくありません。

また、マンション開発によって歴史的建造物(江戸時代築の庭園つき邸宅「元治苑」)が取り壊された例もあり、鎌倉の古都保存法があるにもかかわらず、不動産のデベロッパーによって営利目的で鎌倉の景観が破壊されているのが現状です。

そのため、文化財の周辺景観が保たれていないという理由も、登録が見送られた原因の一つとなっています。

鎌倉の世界遺産登録について地元民の所感

鎌倉世界遺産登録落選その4

現在、鎌倉の世界遺産登録は落選という結果のままで、再審査に向けて動いている状況ですが、実際に鎌倉に住んでいる地元住民はどのように思っているのでしょうか?

あの道路事情で世界遺産になり、観光客増大は休日だと収拾がつなかくなるのは目に見えていますね。タクシーはメーターが上がり使い物にならないし、緊急自動車の到着遅延が慢性化してしまいます。そもそも鎌倉は観光地として既にメジャーであるから世界遺産にならなくても充分な観光客が来てます。


今の観光客数、道路状況を考えると、これ以上の集客は厳しいですから、世界遺産にならなくて先ずはひと安心です。世界遺産になったから鎌倉の魅力が増すわけでもないし。私は鎌倉市民ですが、世界遺産を目指すのは大反対です。

世界遺産に大いなる期待をしているのは、観光客増を見込み当て込んでいる自治体でしょう。鎌倉は世界遺産登録の如何を問わず、日本屈指の観光地です。平日でも引っ切り無しに訪れる観光客を週末には慢性渋滞と駐車場不足などを捌き切れない現状に何等打開策を示せないで居る自治体を冷ややかな目で地元住民は見ています。目先の利益しか眼中に無い自治体は世界遺産に相応しい街の体裁を考えなければ地元住民の理解は到底得られないと思います。

引用:yahoo!知恵袋

かなり厳しい意見が多かったですが、鎌倉住みの私もほぼ同意見です。

現在の鎌倉は、観光客で慢性的な混雑に悩まされており、交通事情も休日は車・電車どこでも通勤ラッシュ並みの混雑状態で日常生活に支障をきたしているレベルです。

特に高齢者の多い鎌倉では、救急車にお世話になる人も多いですが、そのような場合でも観光客の車で道路が渋滞してしまって、車の到着が遅くなったなどといったらお話になりません。

世界遺産登録に動く前に、鎌倉市民が生活しやすいように解決しなければならない問題は山ほどあります。目先の利益だけではなくて、実際にそこで生活している住民のことももっと考えてほしいというのが、イチ鎌倉市民としての意見ですね。

まとめ

鎌倉世界遺産登録落選その1

今回、鎌倉時代からの古都として歴史が深い鎌倉が、なぜ世界遺産に登録されていないのかについて紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?

鎌倉が世界遺産に登録されなかった理由としては、関東大震災によって歴史的建造物がほとんど消失してしまったのが一番インパクトのある要因です。

また、鎌倉の乱開発による周辺景観の変貌も、登録を見送られた要因になっています。

ただ、鎌倉住みのイチ市民としては、世界遺産登録を目指す前にもっとやらなけれならない事あるでしょ!?とツッコミたくなります。

今でさえ、観光客の増加による人口密度が京都を超える状況なのに、世界遺産登録がされてこれ以上観光客が増加することになれば・・、鎌倉から去る転出者は確実に増えると思います。

そのくらい、今の鎌倉は交通事情も人混みの度合いも限界まで来ています。

世界遺産という目先の利益だけではなくて、そこで生活を営む住民のことももう少し考えてほしいと、この記事を書きながら思ってしまいました。(ちょっと愚痴になりスミマセン・・)

鎌倉の世界遺産登録、今後はどのような状況になるのか色々な意味でドキドキです・・!